日本中間子科学会 会長あいさつ


  この度、中間子科学会の会長と言う大役を仰せつかりました。今まで山崎先生や永嶺先生を始めとする「大家と呼ばれる諸先輩方」が築いてきた中間子科学会を、さらに発展させるために、微力ですが努力する所存です。皆様のさらなるご協力をよろしくお願いいたします。


  私がミュオン実験を始めたのは、9.11のあった「2001年」です。ですから、実験開始後12年「干支の一回りで」、大変お世話になったミュオン界に、今までとは別の形で貢献することになりました。何を成すべきか迷うのですが、これからの2年の任期中に、取り敢えず3つの点で中間子科学会に貢献したいと考えています。

  まず第1に、ユーザー数の増加です。高エネ研・理研・鳥養現会長を始めとする多くのユーザーのご尽力により、日本のミュオン施設の整備が着々と進んでいるように思います。これは大変喜ばしいことですが、同時に従来の「ユーザーが増えないのはチャンネルがないから」という所謂「卵が先か鶏が先か」と言う議論に結論が出てしまう時期が近づいていることを意味します。ここでユーザーが増えなければ、所詮そこまでの科学と断定されかねません。そこで継続して、ユーザー層の拡大に努めたいと思います。数値目標としては、2年後に会費を払う会員数を現在の100名から150名に増やしたいと考えています。

  第2に、納税者からのインプットに対して、明確にアウトプットを発信することです。成果の創出ついては皆様方のご努力に期待するのですが、中間子科学会として「アウトプットの見せ方」を工夫する必要があると思います。例えば、ウェブ上にまとめて、外部から「すぐに見える」ようにすることも有用かもしれません。

  第3に、選挙制度と会費の改訂です。今回の選挙に対しても、運営委員の顔ぶれに余り変化が無いとの感想があると聞いています。実際、私自身4期連続で運営委員を務めさせていただいています。何でも変えれば良いという訳ではありませんが、「適度に新陳代謝が進み」かつ「見識ある方々を運営委員会から排除しない」選挙制度に変えて行きたいと思います。また会誌を発行するだけで赤字になるような脆弱な財務体質から脱却するためには、会費の改訂もやむを得ないと思います。

  最後に私が企業に在籍するので、上意下達で物事を進めることを期待されたり、心配されたりする方がいらっしゃるかもしれません。企業では上司が部下の人事評価をするので、上意下達も時には機能します。しかし中間子科学会は、中間子に興味を抱く研究者の自発的集合体です。会長が何を思おうと、皆様のご協力と同意なしでは、何事も先に進みません。繰り返しになりますが、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 平成25年4月1日

日本中間子科学会会長  杉山 純